ハードディスクの基礎知識

ハードディスクドライブ(HDD)はパソコンで扱うデータを保存しておくところです。円盤状の基盤
に磁気ヘッドを利用してデータの書き込み/読み出しを行います。ディスクとヘッドの間はレコー
ドと違って、非接触で磁力によってデータを記録します。

このハードディスク(HDD)は本棚に例えることができます。HDDの容量は80G(Gはギガと読
む)などと表されます。この数字が大きいほど、本(データ)をたくさんしまえる大きな本棚になり
ます。


SeagateのSATA、200GのHDD「Barracuda 7200.7 SATA - ST3200822AS」去年購入

HDDの性能は記録できるデータの容量と読み書きの速度の2つによります。
記録できる容量を大きくするには、1台のHDDに納めているディスクの枚数(プラッタ枚数)を
増やすか、ディスク1枚あたりの記録密度(プラッタ容量)を高くします。ディスクの枚数を増や
すのもデメリットがあって、プラッタが増えるほどヘッドとアームが増えることによって壊れやすく
なります。HDDが壊れる原因は落としたときのショックなどでヘッドとディスクが接触してしまうこ
とが多いです。また、プラッタ容量が高くなるほど高密度にデータが存在しているので転送速度
が速くなります。

次に読み書きの速度を上げるにはHDDの回転数を高ければ速いです。一般的な回転数は
5400rpm(回転/分)と7200rpmになります。回転数を早くするほど発熱や騒音の原因になりま
す。HDDの回転数が早いほどキビキビ感がでますが、PCの用途がネットサーフィン、メール、
オフィス系ソフトぐらいの場合、あえて5400rpmを選んでも良いと思います。


参考までにカタログにはシークタイムやキャッシュ容量といった言葉も載っていると思いますが
気にしなくて良いでしょう。
・シークタイム(ms)
データを読み書きする磁気ヘッドが目的のトラックまで移動するのにかかる時間です。
・キャッシュ容量
ハードディスクからCPUに転送するデータを一時的に蓄えておく記憶領域です。バッファメモリと
呼ばれます。これが高いほど処理速度は速くなります。


さて、マザーボードにHDDを接続する方式には2種類あります。E-IDE(エンハンスドIDE)方式
Serial ATAの2つがあります。Serial ATAの方が新しい規格でIDEのケーブル(パラレルケ
ーブルともいう)とSerial ATAのケーブルはコネクタの形状、ケーブルの太さも全然違います。
IDEのケーブルは板状のケーブルで横幅も大きく扱いにくいにくいのに対してSerial ATAのケー
ブルは細くてスマートです。

IDEケーブル

Serial ATAのケーブル

インターフェースの転送速度についてはIDEのUltra ATA/100は100MB/秒、Ultra ATA/133
が133MB/秒、Serial ATAが150MB/秒、さらに新規格のSerial ATAUだと300MB/秒となりま
す。
ただし、現在はHDD内部の転送速度が100MB/秒を超えるものはなく、インターフェースの転送
速度の違いが性能に影響することはありません。
これから自作を始める人はSerial ATA(Serial ATAU)対応のHDDを買うようにしましょう。
ただし、マザーボードが対応している必要があります。


最近はほとんど流体軸受けのHDDだと思いますが、これは複数の球体で軸を支えるボールベ
アリングの代わりに粘性のオイルを用いて回転軸を支えています。これは機械的に接触してい
る部分がないため、高周波の音が出にくく、静音には欠かせません。

HDDの大きさには2種類あって3.5インチはデスクトップ用に使われるサイズで、2.5インチはノー
ト用のサイズです。


さて、ここからは実際にHDDを増設する際の注意点です。

まず、頭に入れておいて欲しいのがHDDはパソコンを構成するパーツの中でもっとも壊れやす
いということです、慎重に扱いましょう。また購入する際はHDDがガラスケースに入っていて店
員さんに言わないと出してもらえないところで買いましょう。
新潟の某ソフ○ップ万代店は誰でも触れるところにおいてあるのでここで買うのは避けた方が
よいです。ドスパラ、ツートップ、ヨドバシなどはその点大丈夫です。
いずれにしろ初期不良が多いパーツなので保証書は大事にとっておきましょう。

まず、デスクトップの場合、3,5インチベイに空きベイがあるか確認しましょう。メーカー製のPC
は無いことが多いです。すべてふさがっている場合は5インチベイにつけることもできますが、
マウンターという金具を買わなければなりません。

複数台のHDDを内蔵する場合はできるだけ、密着させないようにしましょう。
熱の逃げ場が無くなって熱がこもるからです。
3,5インチベイに取り付けるときHDDとHDDの間は1台分以上空けるのが望ましいです。

次にマザーボードとHDDをケーブルで接続します。

接続がE-IDE形式の場合から。
マザーボードにあるIDEコネクタからIDEケーブルを使ってHDDと接続するのですが、コネクタは
E-IDEではマザーボード上に2種類あって、プライマリとセカンダリがあって、それぞれに接続さ
れたIDEケーブル上にはさらにマスターとスレーブというコネクタがあって合計4台の光学ドライ
ブとHDDを接続することができます。ただし、OSの起動(Windowsのインストールされているドラ
イブ)に使えるのはプライマリのマスターに接続されているハードディスクのみです。

マザーボード
 ┃  ┃
 ┃  ┃IDE1(プライマリ)     ┏マスター
 ┃  ┗━━━━━━━━━━━
 ┃           ┗スレーブ
 ┃
 ┃IDE2(セカンダリ)        ┏マスター
 ┗━━━━━━━━━━━━━
              ┗スレーブ


マザーボード上のプライマリとセカンダリのコネクタ

一般的な構成は以下の感じです。
プライマリ→スレーブ(2台目のHDDをここに増設する)→マスター(ここにHDDの起動ドライブ
を接続)
セカンダリ→スレーブ→マスター(光学ドライブをここに接続)

HDDが1台の場合、光学ドライブはプライマリのスレーブに接続することもできるのですが、一
つのケーブル上に転送速度が異なる2種類のハードウェアをおくと早い方の転送速度に影響
が出るのでよくありません。

次にSerial ATAのHDDですが、対応しているマザーボードならSerial ATAのコネクタがあるの
でそこに接続します。プライマリやらマスターは関係ありません。

次にHDDや光学ドライブのようなIDEデバイスのジャンパー設定をしなければなりません。 IDE
デバイスにはマスターに設定するのか?スレーブにするのか?あるいはケーブルセレクトにす
るのか?3つのジャンパー設定があります。ケーブルセレクトは自動的にマスターかスレーブを
認識してくれます。
設定のやり方はHDD本体にジャンパーピンという小さなピンをさします。どこにさせばよいかと
いうのはHDD本体に絵があって書いてあると思います。ジャンパーピンは最初買ったときはマ
スターにさされているはずです。


電源ユニットからでている電源ケーブルも接続します。これもIDEとSerial では異なります。
IDEのHDDや光学ドライブには「周辺機器用電源コネクター」という横幅が広く2つの角が斜め
にカットされているコネクタに接続します。
IDE
Serial

最後に設置したHDDがBIOS上で認識されているかを確認して終了です。
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作成日 2005年5月25日